柚木様誕生日企画！（遅っ！（笑））

やってきてしまいましたよ…
腹黒王子の誕生日でございます！

…王子じゃないですね。
閣下…いえ、陛下で。（笑）

まぁ、過ぎちゃいましたけど…（笑）
だって書き終わらなかったんだもん…！

陛下と同族の私の誕生日は前日だった訳ですが、そんな事はどうでもよくて。

月森君の誕生日を祝って、陛下の誕生日を祝わない訳にはいかず…
まあ月森君と違って彼に愛はないので、同族のよしみで適当に祝おうかと（←酷い（笑））

それでは、以下の文章はお心の広い方だけお読み下さい。


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６月18日。
この日はクリスマス、バレンタインに次いで星奏の女生徒が浮足立つ日だ。

何故なら……


「柚木様、お誕生日おめでとうございます…！！」


……星奏学園の貴公子、柚木梓馬の聖誕日だからである。


…確かに柚木先輩には（色々な意味で）お世話になっている。
お誕生日ぐらいは、こちらも（色々な意味で）お礼ぐらいしたいんだけど…

はぁ、と日野香穂子は溜息をついた。

柚木教信者（別名柚木様ファンクラブ会員）の間には、抜け駆け許すまじの協定が結ばれているらしく、プレゼントも各学年ごとに皆共同で一つ、と取り決めてあるらしい。（抜け駆けはお仕置きだとか。）

もちろん香穂子は柚木教信者ではないが、下手に動いて信者達の標的になってやる気は全くなかった。

「…面倒臭いな…」

でも、ここで何かしらのリアクションを見せておかなければ、
『日野さんは、僕の誕生日を祝ってはくれないんだね…（←エコー付き、特別機能搭載）』
とか言って、（わざとらしく）悲しそうな顔をして見せて、香穂子を悪者に仕立て上げるに違いない。


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放課後、全校の女生徒のほぼ半分の人数（ようするに、柚木教信者達）が柚木の前に行列を作り、
「柚木様、お誕生日おめでとうございます」
と一人一言同じ事を言っていく、というどこか宗教的な儀式を終えた梓馬は香穂子の携帯電話に連絡を入れた。

「もしもし、日野さん？こんにちは。
今話していても、大丈夫かな…？
もしこれから時間があるなら、少し付き合って欲しいんだけど…


………まさか嫌だなんて言わないよな…？」

『柚木様』にお願い（と言うより脅迫）されて、すっぽかす訳にもいかず、香穂子は重い足取りで校門へと向かった。


「やぁ、日野さん。来てくれてありがとう。
さぁ、じゃあ車に乗って？お姫様。」

そう言うなり香穂子を優雅な動きで車に押し込むと、梓馬は反対側の扉から中に乗り込み運転手に命じて発車させた。


…来る。きっと来る。

「…で、お前はまさか今日が何の日か知らない、なんていうわけじゃないだろうな？」


…ほら来たっ…！！！


「勿論わかってます。
柚木先輩、お誕生日おめでとうございます。
すごいですよ、先輩！18歳ですよ！？
結婚ができる歳です！！
18禁の作品だって全部見れちゃいます！！」

慌てて訳のわからない事を口走る香穂子。

「…ふ～ん。じゃあ、お前はとっくに結婚できる歳になってるな…。
いっそ俺の所に嫁に来るか…？」


流し目で言われ、勿論冗談なのはわかっていても香穂子は真っ赤になってしまった。


「冗談だよ。まったく…お前は素直だね。
見ていて本当に飽きないよ。」

「単純で悪かったですね…！！それで一体どこに行くんですか？！」


怒って聞き返す香穂子に、柚木は囁いた。

「まぁ、悪いようにはしないさ。」


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数十分後、香穂子は真新しい服に身を包み、お洒落なカフェに座っていた。

柚木が言うには、
『どうせ家に帰ったら、世間体を気にした誕生パーティーがあるんだ。その面倒な“仕事”の前に、俺が玩具と一緒に休憩したってバチは当たらないと思わないか？』
だそうだ。

…そんな面倒な事の気晴らしに、自分を巻き込まないで欲しい…

そうひしひしと感じながらも、結局プレゼントを用意してあった香穂子は、柚木には敵わないと思った。

「先輩、改めてお誕生日おめでとうございます。これは私からです。」

そう言ってプレゼントを手渡す。

柚木が包みを開けると、中から出て来たのは入浴剤をはじめとする『お風呂リラックスセット』だった。

先輩はいつも気を張ってるから、お風呂でぐらい肩の力を抜いて下さい。
そう言う香穂子に『本当に面白いね、お前は』と笑うと、柚木は優雅に立ち上がって香穂子の隣に行き、耳元で囁いた。




「…ありがとう、香穂子。18年間生きて来て一番うれしい誕生日プレゼントだよ」




（あとがき）

はい、偽物がいらっしゃるようですね！（笑）
陛下メインで甘い話しは無理だ……

柚木様大好きな舞夜ちゃん、雨子ちゃんに喜んでもらえたらうれしいです…（笑）